2008年10月05日

googleが撮影しながら私道を通ると違法なのか

グーグル社曰く「撮影作業員は公道私道を区別するデータを持たずに走行している」(高木浩光@自宅の日記)によると、googleストリートビューの話でgoogleの社員を問い詰めた人がいるようだ。

 その問題意識の背後には、撮影しながら私道を通るのは違法であるという考えがあると思うのだけれど、本当だろうか。微妙な問題すぎるのだけれど、即違法とはいえないだろう。おそらく個人がホームビデオでやるレベルならばほとんど適法になるだろう。悩ましいポイントはgoogleの行為が大規模すぎるという点であって、公道か私道かという点にさほど違いがあるとも思えない。もちろん公道と接続されていない私道は別としても、土木事務所に行かなくちゃわからないレベルの私道であれば、問題にはならないように思う。

 私道は違法と考えている方は、どういう根拠でそう考えるのだろうか。
posted by battlerock at 20:45| Comment(21) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この具体例だとどうですか。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20081004.html#p02
Posted by 通りすがりの者 at 2008年10月05日 21:28
通りすがりの者さま
 特に問題ないと思います。映像にプライバシー侵害があるわけでもありませんし、それとも皆さんこの程度の私有地の通行に違法性を感じているということなんでしょうか。
Posted by br at 2008年10月06日 01:50
通行ではなく、敷地内から家の窓まで撮影されることを言っているんですが、
わかりませんか?
Posted by 上の通りすがりの者 at 2008年10月06日 06:47
上の通りすがりの者さま
 窓は写っていますが屋内までは写っていないようです(もしかしたら見方が足りないのかもしれませんが…)。このケースはあまり問題ないのではないでしょうか。
 確かに私有地に入って行って窓から屋内を撮影するということになるとプライバシー侵害という要素が強くなってくるとは思いますけれど、これは公道から撮影すれば必ずセーフというわけでもありませんので、公道か私道かという問題にはならないと思われます。
Posted by br at 2008年10月06日 06:59
「公道から撮影すれば必ずセーフというわけでもない」
よって、私道から撮影してもよい

というのは、非論理的ではありませんか?
(もしかして学生時代、数学が苦手ではありませんでしたか?)
Posted by 上の通りすがりの者 at 2008年10月06日 10:29
 上の通りすがりの者さま
 ようするに公道から撮影するか私道から撮影するかにかかわらずプライバシー侵害かどうかという問題があるだけだというわけです。私道から撮影してもプライバシーを侵害しなければ問題にはなりません。
Posted by br at 2008年10月06日 20:33
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20080923.html#p01

明確に行政がダメ出しをしてる例もありますよ。
問い合わせの文字数が88文字までという
謎制限に阻まれて、市役所の方もお困りの様子。

違法適法以前に、ユーザの声をまともに聞く気の無い企業に
これだけ大規模なデータを保持されるのを不安になるのは止められないでしょう。

あなたやGoogleが不安にならなくても、不安になってる人がいるのです。
自己中心的な思考では人を幸せにするサービスを
つくることなどできないと思いますが、いかがでしょうか。
Posted by 別の通りすがり at 2008年10月07日 12:51
別の通りすがりさま
 これは横浜市の条例に違反したからで、私道か公道かという話とは全く別問題です。本エントリには「私道での撮影は違法」という主張には根拠がないということを書いているにすぎません。
Posted by br at 2008年10月07日 18:38
>撮影しながら私道を通るのは違法であるという考えがあると思う
高木氏の主張を注意深く追っていれば氏の考えはそんなところにはないことが分かるはずです。氏が問題視しているのは公道であれ私道であれ「人間的配慮」なく無差別に写真を公開することです。そもそも公道私道を区別する理論を持ち出したのはグ社であって高木氏ではありません。それですら全く守られていない(守る気がない)、つまりグ社は法律云々以前に、自ら約束したことさえ守れない企業であるということを実証してるに過ぎないと思うのですが。
Posted by 更に別の通りすがり at 2008年10月09日 13:39
更に別の通りすがりさん
 高木さんの考え方がどうなのかは知らないのですが、冒頭のエントリでgoogleを問い詰めている人は公道か私道かという点を問題視しているように思えます。しかしこれも自分で約束したんだから守れよと道義的批難をしているだけで法律問題とは何の関係もなかったということでしょうか。だったら納得です。
Posted by br at 2008年10月09日 22:14
通りすがりの本人です。

公道私道の区別と違法性は直接の関連はないです。少なくともそのあたりの違法性を吟味する意味はあまりないと思います。

ただし、私道からの撮影が問題化していたのは事実ですので、はたして公道私道の区別をできる状況で撮影を行なっているのかどうか、尋ねたところあのような返答になったわけです。

なにしろ、手渡された紙には「公道から云々」と書かれているにもかかわらず、google自体は公道私道の区別すら「法的にない」と(一担当者にせよ)断言してしまったわけですから、どうなっているんだということです。

そして、公道私道の区別は少なくともテクノロジーで解決できる問題(情報は存在するので、それを取り込むのは可能)をgoogleが放置していることが問題であるとアピールしたかったわけですが、担当者があれなんで…


GSVについては公道私道云々より、撮影情報を全世界に公開するまえに、公開してよいかどうか許可、または拒否する権利(個人個人が有すると信じてますけども)が蹂躙されていることが問題だと思っています。
個人が勝手に旅行写真をアップするならまだしも、世界的企業が横道まで絨毯爆撃のごとく撮影しまくって住所とリンクした状態で全世界に公開するわけですから、当然、公開の可否は写される側に権利として保有できないととんでもないと思います。

見落とされ気味ですが、googleはボランティアでやっているわけでなく、あくまで自分の金儲けのため、ビジネスでやっています。GSVで公開されている自宅などの情報もすべて、無料でgoogleに利用されていると認識するとGSVに対する考え方も変わる人もでてくるのではないでしょうか。

そして、googleは確認どころか、削除にすらまともに応じない場合もあるとのことで、これは完全にビジネスとしてもあり得ないレベルと思います。


特にカナダや中国ではもともとダメとわかっているのでGSVをやらないところからみても、違法性を確信しているうえでビジネス的観点からのみ、非常に多くの人々のプライバシーを勝手に撮影して切り売りしているというのが、googleの正体と考えます。
Posted by 通りすがりの情報提供者 at 2008年10月13日 00:47
通りすがりの情報提供者さま
 くわしい情報ありがとうございます。公道私道の区別って法的にできるんでしょうか。よく知りませんが、たとえば道路台帳には里道は掲載されているのか、私道であっても建築基準法上の道路は公道といわれる道路と法的にはほとんど同じであると考えることができるのではないかなどの疑問を感じました。そのうち調べてみようかと思いますが、道路って法的にすごく入り組んでいて面倒なんですよね。
 少なくともGSVが登場する前の日本における議論では、公道からふつうに観察することができるような範囲での情報はプライバシーであるとは考えられていないと思います。垣根を覗き込んだりとか、望遠で室内を撮影するような場合は別ですが。たとえば公道上では当然に第三者から観察されるのだからプライバシーは放棄されているなんていう議論がされます。もちろん別途肖像権の議論はあるわけですけれど。国内で違法といえるかどうかはかなり微妙な問題だと思います。
Posted by br at 2008年10月13日 02:23
法整備が遅れているだけですよ。

なんといっても一企業がローラー作戦で撮影しまくって、全世界に住所とリンクして画像を公開するなんて、前提になかったでしょうから。
この規模でやられているビジネスを、一個人の興味でやっていることの延長
で解釈すること自体、おかしいと思いませんか。

なので、もともと遅れている法の解釈論には興味がないわけです。それと法解釈にしか興味のない法曹会にも。こういった態度をとるだろうとgoogleにみすかされているからこそ、日本での対応がいい加減なわけで、日本の法曹会は完全に馬鹿にされていると思ってます。片やカナダなどでは訴えが起きてますからね。GSVの導入にも慎重です。この差はどこからくるのでしょうか、法曹会のみなさん。

GSVに対する一連の議論は消費者運動ととらえたほうがよいでしょう。そのほうがGSVを嫌う人々の認識を理解できると思います。
古くさいプライバシーの概念では守りきれない個人の権利をまもるため、新たに考えなくてはならない問題が出てきたということです。




ところで、googleが削除に応じない場合もあることに関してはどのようにお考えですか。
Posted by 通りすがりの情報提供者 at 2008年10月13日 17:26
通りすがりの情報提供者さま
 消費者運動というのは現行法の解釈論ではなくて、立法論とそのための政治活動だということでしょうか。もしそうなら法曹界ではなくて、政治を批判すべきだと思います。ただ仮に規制するとなると社会に対する影響がかなり大きいので、慎重な議論が必要になると思いますけれど。
 日本で訴訟が起きているのは、嫌う人というのは多数いるんですけれど、実害を受けた人というのがまだいないからではないでしょうか。もろプライバシー侵害の画像に対する削除依頼が拒否されたという事例があれば訴えを提起してGSVを攻撃することもできるかと思います。googleが削除依頼に応じない事例というのは、内部で検討して法的に問題ないと判断した場合なのではないでしょうか。どの程度の専門家が検討したかはともかくとして。法務部ってのはかなりレベルが低いですし、弁護士にいちいち検討を依頼するのはめちゃくちゃなコストがかかります。
Posted by br at 2008年10月13日 21:30
これまでの前提を超えていることが起こっているのですから、政治を批判する必要もなく、これからよくしていきましょうということです。

現在の法整備でGSVを吟味することの是非はどう考えてますか。
これに答えられないでしょう、日本の法曹界は。メタな議論ができないでしょうから。

杓子定規に考える人ばかりだからgoogleに馬鹿にされています。
で、グレーゾーンのまま、googleの暴走は止まらないわけです。

まずは高木氏のgoogle関連の記事を全部読みましょう。公道私道の区別なんて些細なことです。問題は別の場所にありますので、下らない解釈問題を続ける意味はないです。
Posted by at 2008年10月13日 23:24
 これから良くしていくというのは司法ではなく立法(政治)の仕事なのです。
 法の定立は立法、執行は行政、適用は司法というのが小学校でも習う現代社会の仕組みです。
 せっかくご質問いただきましたが、「現在の」という用語と「法整備」という用語が矛盾しているあたりがメタな議論になっています。なぜならば法整備とはそれ自体「将来の」ことがらですから現在の法整備というのは用語自体矛盾をはらんでいるわけです。
 googleが馬鹿にしているというのも単なる妄想にすぎないと思いますよ。グレーゾーンといいますが、アウトになるラインというのは明確なわけで、反対派の方が指摘している画像がセーフのものばかりなのです。解釈問題をくだらないといいますが、現行法の下でご指摘の「googleの暴走」を止めるためには現行法の解釈論でいくしかないわけです。そうでないなら政治に働きかけて立法を求めるしかありません。
 しかし立法論でも規制は難しいでしょう。考えてもみてください。表札の写りこんだ写真を無断でネットアップすると処罰されるような法律に賛成できますか?
 それとも膨大な量の場合だけ処罰しますか?
 位置情報とリンクした場合だけ処罰しますか?
 GSVを止めたければ、GSVにプライバシーを侵害された個々の人がgoogleを訴えればよいのです。ネットで公開されているのだから、それなりに損害賠償を請求できるでしょう。コストが高くなればペイしなくなるので、googleもプライバシーを侵害しない方向にどんどんとサービスを改善していくはずです。まあ本当にそれだけプライバシーを侵害された人がいるならば、ですけれど。
Posted by br at 2008年10月13日 23:58
>>現在の法整備でGSVを吟味することの是非はどう考えてますか。

これは「現在の法で」のミス。それだけです。

で、高木氏のページは全部読みましたか?
高木氏も、このページにコメントしている人たちも、誰も「私道での撮影は違法」とはいってないし、そうでないことも明言しています。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20080927.html
読みましたか?
9/27の日記です。つまりあなたのこの記事よりも前の話です。つまり、あなたの誤解というだけです。

立法の話はよくわかりますよ。ですから町田の件を書いたわけですから。

さて、
あなたが弁護士であって裁判官でない限り、あなたは自身の法解釈をおこなうことしかできないわけですよね。
あなたが裁判官でないかぎり、法の適用の権利もないはずですが、法に付いて立派な議論を行っていますよね。それと同じで法を語ること、メタな法について語ることもなんの問題もないでしょう。別にあなたにジャッジしてほしいと言ったわけでもなんでもないですから。

ただし、気になるのは:
>>グレーゾーンといいますが、アウトになるラインというのは明確なわけ
>>で、反対派の方が指摘している画像がセーフのものばかりなのです。

ならば、高木氏の日記にある例について、法的な解釈でそれがセーフであることを全て証明していただけますか。

高木氏はもとより、ここにコメントした人々はよく分かっていますが、一般にはあなたのように「私道からの撮影が違法か否か」という、googleが出した視点に囚われて、その合法違法議論に目をいかされている(googleがばかにしているというのは、このこと)わけですので、あなたの法律知識による、法解釈が行われるなら、きっと今後無駄な議論がなくなり、もっと本質的な問題に目が移るようになると思いますので、非常に有益な作業と思いますが、いかがですか。
Posted by at 2008年10月22日 12:45
追記

>>しかし立法論でも規制は難しいでしょう。
>>考えてもみてください。表札の写りこんだ写真を無断でネットアップすると処

>>されるような法律に賛成できますか?
>> それとも膨大な量の場合だけ処罰しますか?
>>位置情報とリンクした場合だけ処罰しますか?

googleは商用利用しているって観点を持たずに議論するのは片手落ちですので、「商用利用」における解釈を行ってくださいね。
Posted by at 2008年10月23日 10:49
>>ならば、高木氏の日記にある例について、法的な解釈でそれがセーフであることを全て証明していただけますか。

 これはあまりに面倒です。墓地条例以外でとびっきり違法なのを紹介いただければコメントしますよ。

 商用利用というのはあまりポイントになりませんね。googleと同じく町の風景を商用利用しているというと、たとえばテレビドラマとかもそうですし、風景写真を掲載したブログがアフェリエイトをしていれば、それも商用利用です。
 ポイントは規模と位置情報でしょう。
Posted by br at 2008年10月24日 01:39
> これはあまりに面倒です。墓地条例以外でとびっきり違法なのを紹介いただければコメントしますよ。

高木氏の日記のエントリくらい読みましょう。
私道でなおかつ「侵入禁止」の立札のある場所の画像がアップされてる。それと、やっぱり墓地条例の件かな。

あと、ごく普通の例で「なぜ合法なのか」を説明してもらえると非常にありがたく。


>商用利用というのはあまりポイントになりませんね。
>ポイントは規模と位置情報でしょう。

話を元にもどすが、墓地の件や「侵入禁止の立札無視」以外、私道での撮影という行為、およびそれをWEBにアップすることが、現時点で法にふれる部分があるとは思ってない。

ただし、一般人が画像をアップするのと、テレビや雑誌が画像をアップするのでは影響力が違うでしょうと。今の法体系では違いがないのだろうけども。で、googleのやってるのは、さらに強烈で位置情報までつけて大都市部を広範囲にしかも詳細に住宅画像を晒している。当然苦情も多い(らしい)。
しかし苦情や質問に対して、普通の企業ならそれなりの対応をするが(古くはゼンリンなどダメな会社も多いが)、googleの対応はなんだ、という点で被写体となった、もしくはなりうる国民の一部が問題化しているのが現状。
これは「困るよね、なんとかしないとね。大量の個人のプライバシーがgoogleの商売のネタとして世界中にバラまかれている」と感じている人が多いって話。

「私道からの撮影が違法云々」というgoogleの持ち出した観点はそもそもトラップ。企業論理の問題を法の解釈論にもっていけば、プライバシーだとか肖像権だとか嬉々として語る人々が問題をうやむやにしてくれるから。

例えば、サイゼリア。WEBページで中国産と明記していなかったことがやり玉にあがっているが、明記しないからといって法にふれるわけではない。
しかし、企業論理としてどうなんだという話。ヒステリックかもしれないが、こういった圧力がないと企業側のコンプライアンスが高まらないのも事実。
で、googleは?という話。
ちなみに、カナダでは反対が多くGSVの導入が遅々として進んでいないことを付記します。
ちなみにちなみに、カナダで反対しやすいのは訴訟を起こしやすいからだと思います。日本では訴訟起こすとなるとまず金銭的(弁護士費用)に一苦労するし、9割方和解提案されるし、万が一勝訴したとしても賠償金少ないし。非常に消費者にとって不利な環境だと思いますよ。googleは十分それを分かってます。

なので、法解釈のみの問題理解だと、GSVにまつわる問題のほとんどが見えないと思われます。このブログの性質上、法解釈にしぼって書かれているのは十分理解しておりますが。
Posted by at 2008年10月24日 03:19
失礼。

誤:「企業論理」

正:「企業倫理」

Posted by at 2008年10月24日 03:35
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